外観のフィジカルについて
みなさんは、日々遭遇する救急患者の何をまず看ていますか?おそらく、多くの方は顔色や表情、姿勢や体全体などいわゆる「外観」を重視して第一印象の判断に役立てているのではないでしょうか?
はじめは表情を確認することが多いと思います。その表情の中でも特に重要であるのが、目線やアイコンタクト、表情の種類・程度や見た目などです。今日は、一瞬の判断でフィジカルアセスメントを行う「表情の外観」について少し考えたいと思います。
「パッと見の表情の判断で考えること」所見と診断の例
・呼びかけへの反応なし →意識障害・聴覚低下・認知症
・注意力の低下 →意識障害・聴覚低下・認知症・統合失調症・重度のうつ病
・顔をしかめる →苦痛・疼痛・重篤な疾患
・冷汗 →重篤な疾患・心臓血管系疾患(急性心筋梗塞・大動脈解離など)
・アイコンタクトの減少 →不安・恐怖・悲しみ・文化的背景
・活気低下 →抑うつ状態・うつ病
・一点凝視 →意識障害・甲状腺機能亢進症・パーキンソン病・統合失調症・人格障害・けいれん
・表情の左右差 →脳血管障害・顔面神経麻痺
・発熱+顔をしかめる「重篤感あり」 →急性心筋炎・髄膜炎・敗血症・肺炎など
・頭痛+顔をしかめる「重篤感あり」 →くも膜下出血・脳出血・脳静脈血栓症など
・腹痛+顔をしかめる「重篤感あり」 →急性腹症など
いかがですか?うーーん、というものもあれば、なるほど確かにというものもあったのではないでしょうか? ※疾患ばかりではなく虐待や犯罪なども念頭におかなければなりません
表情に関して付け加えると、顔をしかめるというのは重篤感の表れと捉えるほうがよいでしょう。また、その表情がどのような原因でそうなっているのかを考える洞察力を磨いていくことが必要です。
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